[輝きに手を伸ばして]戸山香澄1/7スケールフィギュア  デコマス制作編

[輝きに手を伸ばして]戸山香澄1/7スケールフィギュア デコマス制作編

みなさんお久しぶりです!Craft Egg Store担当の佐藤です。

3月30日についに予約開始となった香澄フィギュア。
すでにご予約いただいた方にも、そうでない方にも、より香澄フィギュアの魅力を知っていただきたく、また筆を執らせていただきました。

今回の制作ストーリーもお楽しみいただけると嬉しいです。

デコマス制作スタート!

前回のストーリーで紹介させていただいた原型がこちら。

原型

(相変わらずの迫力!)

こちらの原型が彩色を経てどういった仕上がりになるのか、カードイラストのような幻想的で可愛い仕上がりにできるのか。我々は期待と不安の入り混じった気持ちでいました。

彩色は、原型師iTANDiさん(@itan_di)のご紹介でタルタルさん(@tarutaru75)にお願いさせていただき、早速デコマス(※)の制作に入っていただきました。
※デコレーションマスターの略で、工場で生産する際に使われる彩色見本として制作されたフィギュアのこと。

お渡しした資料を元に彩色を進めていただきます。
実際にお渡しした資料がこちら。

彩色資料1

彩色資料2カードイラスト上の香澄には世界観の演出も反映されているため、フィギュアの香澄の彩色は、衣装の設定資料を元に進めていただきました。

また、前回のストーリーでもお話しした通り、台座とエフェクトはフィギュア用に新たにデザインを起こしたため、配色と素材感のイメージを別途作成してお渡しいたしました。

約120パーツもの彩色

お話を伺ったところ、デコマス用の彩色はすべて手塗りで行うとのこと。
ちなみにパーツ数は全部で約120個……!

彩色パーツ

こちらはパーツのほんの一部なのですが、これだけでも大変な作業になるであろうことが想像できてしまいますね……。
あまりの細かさに、物によってはマスキング作業(※)などの色を塗る前の準備に何十時間もかかり、実際に色を塗るのは数分、という箇所もあったそうです。(こんなとてつもないパーツ数の彩色を引き受けてくださったタルタルさん、本当にありがとうございます!)
※パーツが分かれていない部分の色を塗り分けるために、マスキングテープを使用して縁取りをする作業のこと。

徐々に色が塗られていくパーツたち。

彩色途中

色のクリア感がとても綺麗で、これだけでもワクワクします。
とてつもなく細かい箇所の塗りはもちろん、素材別の表現まで本当に丁寧に再現してくれています。

彩色途中星の塗りパターン

全体に散りばめられた星も上の画像のように透明感の異なる2パターンの塗りを提案してくださいました。
とても悩んだのですが、エフェクトに馴染みすぎないよう、左の塗り方でお願いすることにしました。

忘れてはいけないデカール(※)も確認していきます。
※手書きが難しいロゴや目などを再現するために作成する転写用シート。水につけることで、印刷された模様をフィギュアに転写することができます。

彩色途中デカール

実際のランダムスターはボディの四隅にある星とネックのポジションマークがLEDライトで光るため、なんとかその光を再現できないか、という筆者のワガママを受けて、上の左端の画像のように光る星を試してくださいました。
(最終的にはイラストに合わせて、一番ランダムスターらしさが出る黄色に落ち着いています。)

そして出来上がった香澄彩色初稿がこちら!!!

彩色初稿全体像

(なんて綺麗なんだ!!!色が入るとキャラクター感が出てとても可愛い……!)

先日まで灰色一色だったのに……命が吹き込まれました。
特に筆者が推したいのはリアルなギターと何重にもなっているスカートの細かさです!

彩色初稿ギター

本物のギターなの!?というくらいボディの質感がリアルだったり、部品のメタリック感が本格的だったりします。弦も一本一本丁寧に張られ、今にも演奏できそうです……!

彩色初稿スカート

スカートは一枚一枚異なっていて、レース形状になっていたり、シアーの質感を表現していたり。一番大きなスカートの裏側には夜空のように星が散りばめられていたりと、とにかく細かい作りになってます。

彩色初稿監修

ほぼ完成に近い状態ですが、まだまだクオリティに妥協しません!
ここからさらにイラストに近づけるため、細かいフィードバックを重ねました。

実際にお送りした、フィードバック資料がこちらです。

彩色初稿フィードバック1

彩色初稿フィードバック2色味や質感の表現をブラッシュアップしていきます。

特に大事な顔まわりについては入念にフィードバックをしていきます。
もちろん今回も、「ガルパ」のアートディレクターである信澤に監修してもらいます。

デカールデータの修正や、頬のフィードバックはもちろんのこと、輪郭と髪のハネ具合もさらにこだわる信澤。

彩色最終監修

初稿でフィードバックさせていただいた部分の修正稿を頂き、最終確認をしていきます。

髪色が明るくなったことで分け目がよりリアルに!

髪についている黄色いテープはアクセサリーなどと、髪の毛を塗り分けるためのマスキングテープなのですが、これを見て冒頭のタルタルさんのお話が蘇る筆者……物によっては準備に何十時間もかかるというのが想像できる細かさです。

個人的には右足の靴下の透け感に感動しました。塗り方でこんなに印象が変わるとは、驚きです!

ギターの光沢感もアップし、より本物らしく!
スカートの中も帽子も、より夜空のような表現になり、イラストにぐんっと近くなりました。

そして肝心のお顔。
信澤のこだわりぶりはまだ終わりません。

白目の明るさを少し抑えて、より柔らかい印象になるように調整していきます。
(白目を調整するだけでこんなにも変わるものなんですね、勉強になります。)

そして、細かい調整を経てできあがったものがこちら!!

(香澄ーーーーー!!!!なんて美しくかわいいんでしょう……)

衣装の細かい部分だけでなく、顔もより香澄らしくなり、イラストの香澄がそのまま飛び出してきたかのようなクオリティを実現することができました!

こちらでデコマスが完成です!
長い道のりでしたが、ようやくみなさんにお披露目できるようになりました。
(細部にわたり、精巧に彩色してくださったタルタルさん、改めてありがとうございます!)

ここまでお読みいただきありがとうございました。デコマス制作編はいかがでしたでしょうか?

香澄フィギュアの魅力が少しでも多くの方に伝われば幸いです。せびご予約の上、お手元で楽しんでいただけたら嬉しいです。

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次回はプロモーション写真撮影編。
フィギュアの魅力を伝えるためにこだわり抜いた、写真撮影の裏側をお話ししたいと思います!公開をお楽しみに!

佐藤